「ちゃんと櫛を入れないと鳥が巣を作りますよと言って、古女房がこれをくれた。島田の髪も梳いてやる。ついでに結ってやる」と珍しくキュウの方から寄ってきてたので「儂の強い髪には、その櫛は心許なかろう」と苦笑してみせつつ、心の中で「よっしゃあ！」と快哉を叫んだカンベエ様だったが、幸せは長くは続かなかった。
このあとキュウは無言で小枝を引っこ抜いて立ち去り、櫛を「島田の髪を梳いたら、壊れた。すまぬ」とシチさんに返すんです。
「キュウゾウ殿はやはりまだあの御仁のことを…」とちょっとかわいそうになるシチさんだったが、実はキュウゾウ本人は何も考えてなかったりするのであった。
そして、今度は古女房の髪も結ってみよう、などと考えているのであった。

広川太一郎さんの訃報にびっくりしました。
先日「モンティ・パイソン」の日本語吹き替え版で、彼の若々しい声を聞いていたので、よけいに寂しくなりましたよ。

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